昔の仕事
私達夫婦が結婚したのは2002年、一人は那覇にいる巡視船の機関士、 一人は海上保安大学校を辞め、自宅で療養しているという時期でした。この時、既に二人の間には「いつかは農業」という話はありました。
私の仕事の面では、巡視船の機関士から、海上保安庁の練習船の教官、 外務省への出向と目まぐるしく環境は変わり、妻はその転勤続きの中でも、 通信制短大の保育科に入り、勉強をしていました。
そのような中でも、農業の世界はどういったものかという探求と、 情報収集は常に欠かさずに続けていました。
転機
転機は突然訪れました。
農家を引退する方からお声がかかり、その後の土地や住宅一式を買わないかという話でした。それから、農業者となるための研修(現在の農場にて研修)を経て、2009年に経営がスタートしました。
農業を始めるまでに色々な問題や苦労もありました。でも、王道のない農業において、生じる問題や苦労は就農してからが本番。 輝かしい業績や自慢話もこれからが本番です。
といいながら既に20年目が目前となりつつあります。
のみやまファームの後継者
私たちの転機である、農業研修が開始した頃、長男が産まれました。
考え方の古い農家だと、「後継ぎができた」と無条件に喜び、当然に私たちがそのように思うはずとのプレッシャーをかけてきます。 農家の息子たちの多くが、なぜ継がずにいなくなるのかを考えもせず。
農家が世襲制である時代は既に終わっていると思います。
やりたければやればいい。でも、10年は関係ない仕事をして、 じっくり世の中を見てくる必要があると思います。それでもやりたいと言うか。否か。
私たちに出来ることは、子供たちに限らず、誰かが「ぜひやりたい、引き継ぎたい」と言いたくなるような農業をやっていくことしかありません。